3/21 しりとり企画「ムカデ人間」

「新婚旅行。どこだっけ?」

「行かない行かない。だってお金ないし!」

純白のドレスに身を包んださとみは、無邪気な少女のように白い歯をちらつかせて

私に微笑む。

同じ学校に通って、大学入って、同じ寮に住んで。気づけば私達はもう大人で、彼女はこうして人生の分かれ道に立っている。

 

「なんかあっと言う間だったよね。あいつと別れてさ、さとみにハーゲンダッツ

買ってきてもらったのとかもう一週間前位の出来事に感じるわ」

「あーあれもう…4年前じゃない?だってえりちゃんずっっと泣いてるんだもん!

何やったら泣き止むかなーとか思って、ハーゲンダッツ」

「あの時言わなかったけど私サクレの方が好きだった」

「え〜〜〜」

 

他愛もない会話も今日で最後。式が終わったらさとみは夫の赴任先に引っ越すらしい。

 

その前に、なんとかしなくちゃ。

 

「さとみ、あのさ」

「何?」

「私…」

 

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石原さとみと恋がしたい。

 

突然携帯小説のような文章が出てきて面食らった皆様、申し訳ない。これは私が必死こいて考えた「幼馴染の石原さとみに結婚式の前に思いの丈をぶつける」妄想である。

私は石原さとみに対してこういったシチュエーションの妄想を繰り広げたことがないため

(普段は石原さとみが習字の先生で、私は習字教室の問題児という設定)苦戦したが、このパターンもなかなか興味深いので今後検討してみたい。

 

そう、私は石原さとみが好きだ。毎度毎度出演ドラマを追うほどではないものの、彼女の姿を見ると心が震える。

 

「間接キッスしてみ?」には途方もなくどぎまぎするし、雑誌に石原さとみの美しい写真が載っていたときはその姿を一生見続ける石像になりたいとさえ思う。

 

ふっくらとした唇、うるんだ瞳、たゆたう黒髪。彼女を包む空気は常に潤っているのではないか、とさえ思うほどのみずみずしさにはもはやひれ伏すしかない。

 

ああ、石原さとみに一日でもなれたらどんなに嬉しいだろう。ツメに星屑を撒いたり、夢見るような色合いの可愛らしい服を着たい。石原さとみを取り巻く男になって、彼女との記念日を勝手に設定して気の利いた贈り物をおくりたい。それで「私ちょっとそういうの重くてムリ」っていうふうに拒絶されたりもしたい。

 

でもその一方で、石原さとみを途方もなく憎んでいる自分も確かに存在する。私の女の部分だ。

 

 

彼女は元々は天然物の美人というか、周りの人から「可愛い」と言われて初めて自分自身の魅力に気づくようなタイプに見えた。

それがいつ頃からか、彼女はその「可愛い」の持つ真の力に気づきその武器を遠慮なく振り回すようになった。いや、むしろ最初から使いこなしていたがそれを隠していたのかもしれない。

とにかく、石原さとみはそのあざと可愛さによってモテの狂戦士となりドラマ界に君臨することとなった。

その最もわかりやすい例が現在放送中の 「失恋ショコラティエ」である。もはや制作陣も石原さとみのあざとさに気づきそれを逆手に取った番組づくりをしている。

そう、「あざとさ」。それが私の最も恐れている所である。

緻密に計算され作られたかわいさは時として同性に牙を向く。

「完全な可愛さ」はその周りの者の醜さや不完全さを浮き彫りにするのだ。

よく美人は周りにブスを配置して自分をよく見せるというが、あれは「美人の横にいるから余計にブスがブスに見える」という効果もあるのではないだろうか。

だから私の中の女の部分は叫ばずにはいられないのだ。 

「この女は敵だ」と。

もちろん現実に私が石原さとみに危害を加 えられることなど一切ない。

しかしモテない女は「かわいい女に自己演出のダシにされる」という事を尋常ではないレベルで恐れる。

ネコを怖がる人にとっては例え絵に描いたネコであっても恐ろしいのだ。

 

こういったふうに、石原さとみを見つめる私の心の中はマツジュンと水川あさみが常に争っているような状態にある。

愛したいという気持ちと、嫉妬する気持ちとがないまぜになってもはや正当な評価が出来ない状態にあるのだ。

誰でもいいから、この状況を早く何とかしてほしい。

 

 

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VIPテキストサイト企画テキストしりとり(ムカデ人間)用の日記です。

Log Stack!」さんからの引継ぎで、 キーワードは「新婚旅行。どこだっけ?」でした。

次のサイトの「ほぼ日刊ジョニーさん新聞fromニュー速VIP」さんは

誰でもいいから、この状況を早く何とかしてほしい。」から始まる文章をよろしくお願いします。

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コメント: 1
  • #1

    ちんちん (火曜日, 23 12月 2014 12:37)

    とっくに過ぎてるけど1周年おめでとう!
    ネバーギブアップ、ネバーサレンダーじゃねえのかよ!